さいたま国際芸術祭に行ってきた。
やたら歩いたが面白い芸術祭だった。
本芸術祭では『スケーパー』というものが導入されている。
SCAPERは、 景色を表す「scape」に人・物・動作を示す接尾辞「-er」を加えた造語です。 例えば、白髭を蓄えてベレー帽にパイプをくわえて古いイーゼルを立てて風景画を描いている「絵に描いたような絵描き」や、まるで計算されたかのように「道端で綺麗なグラデーションの順番に並ぶ落ち葉」のように、本当なのか偶然なのか…?見分けがつかないような「虚と実の間の光景」をつくり出す存在です。
公式サイトより引用
これの試みが非常に面白い。会場までの行く道ですれ違う人すべて、落ちてる片手袋ですら何か意味があるかのように見える。
場内の展示空間は通路が全て透明のアクリル板で仕切られており、展示作品と日常空間の切り分けを行っている。 我々は何をもとに芸術を芸術としてとらえているのか。それはアクリル板1枚隔てるだけで変化しうるものなのか。さっきこちらからアクリル板の向こうを見ていた僕は、アクリル板の向こう側から見ればまた作品になりうるのか。 日常生活の何気ない風景を面白がる訓練のようでありつつ、自分自身が見る立場ではなく見られる立場たりうるという気付きを与えてくれる芸術祭だった。